大阪・関西万博では、「サーキュラーエコノミー(循環型社会)」をテーマにした多くの展示が印象的でした。再生素材を使ったアートや、資源を無駄にしない仕組み、環境にやさしいテクノロジーなど、未来に向けた取り組みが各ブースで紹介されています。今回はその一部をご紹介しますが、実際に会場で見ると、もっと多くの発見があります。子どもたちにもぜひ体験してほしい、楽しく学べる展示がたくさんありました。時間があれば、ぜひ現地でもう一度見学したいと思える内容でした。
未来へつなぐ木のまち ― サステナブル建築のかたち
日本の伝統技術を活かした木組み構造が特徴的です。再生可能な木材を使用することで、環境への負荷を減らし、資源の循環にもつながる取り組みです。SDGsの「住み続けられるまちづくり」や「気候変動への対策」にも寄与しており、人と自然が調和する社会のヒントをやわらかく伝えてくれます。
めぐる未来をデザインする
イタリア館のサーキュラーな挑戦
イタリア館では、「サーキュラーエコノミー(循環型経済)」に関する先進的な研究や実践が紹介されており、資源を無駄にしないものづくりの考え方に感動しました。再生素材の活用や、廃棄物を新たな価値に変える取り組みは、地球にやさしく、持続可能な未来を目指すうえで大切なヒントとなります。これはSDGsの「つくる責任 つかう責任(目標12)」や「気候変動への具体的な対策(目標13)」とも深くつながっています。
科学と創造力が融合したイタリア館は、よりよい未来へのヒントが詰まった空間でした。
いのちをつなぐ鉄のアート
廃材から生まれる希望のかたち
廃棄された金属部品を使って動物を表現したものです。スクラップとされた素材が、アーティストの手によって命を吹き込まれ、新たな物語を語り始めています。これは「つくる責任・つかう責任」(SDGs目標12)や「陸の豊かさを守ろう」(目標15)へのやさしいメッセージでもあります。不要になったものを大切に再生する発想で心をつなぐアート作品。
いのちを救う未来の医療 ― iPS細胞と心臓再生の希望
大阪・関西万博では、山中伸弥教授によるiPS細胞研究の成果として「心臓シート」の展示が紹介され、大きな感動を呼んでいます。心臓の機能が弱った人の体に、この細胞シートを貼ることで、ポンプのような動きを助け、命をつなぐ新たな医療の可能性が広がっています。誰もが希望を持てる未来に向けて、再生医療は今、確かな一歩を踏み出しています。SDGsの「すべての人に健康と福祉を(目標3)」を支える最前線の技術に、たくさんの来場者が足を止めていました。
〜水素で動く、地球にやさしい選択〜
水素をエネルギー源にして走る燃料電池車の展示です。発電時にCO₂(二酸化炭素)を一切出さず、排出されるのは「水だけ」という、地球にとってやさしい技術が注目されています。エンジンの代わりに搭載されているのは水素燃料電池システム。走ることで空気を汚さないこの車は、SDGsの「気候変動対策(目標13)」や「持続可能なエネルギー(目標7)」を身近に感じさせてくれる存在です。
未来のおふろ
からだも心もととのえる“人間洗濯機”
大阪・関西万博で展示されている「ミライ人間洗濯機」は、1970年の万博で話題となったコンセプトを、最新技術でよみがえらせた入浴装置です。全自動で洗浄・乾燥・癒しまでを行い、誰にでもやさしい快適なバスタイムを実現します。高齢者や身体の不自由な方の入浴を支える技術としても期待され、SDGsの「すべての人に健康と福祉を(目標3)」や「技術革新による生活の質の向上(目標9)」につながる取り組みです。未来の暮らしがちょっと楽しみになる、そんな展示です。
食べられる服!?
大根から生まれた未来のファッション
「アーバン博」で展示されているのは、なんと“大根”から作られた「食べられる服」。野菜から繊維や素材を取り出して衣服にするという、ユニークでエコな発想が注目を集めています。この展示は、サステナブルな素材開発と、資源の無駄をなくすという視点から生まれた試みで、SDGsの「つくる責任 つかう責任(目標12)」や「産業と技術革新の基盤をつくろう(目標9)」にもつながっています。見る人の想像力をくすぐり、未来のファッションや暮らしのあり方に新しい風を吹き込んでいます。
大阪・関西万博の展示を通して、サーキュラーエコノミーという言葉が単なる環境用語ではなく、私たちの暮らしや未来と深くつながっていることを実感しました。再生素材を活用したアートや、資源を循環させる仕組み、廃棄物ゼロをめざした取り組みなど、どれも創造的で、見るだけでワクワクする内容ばかりでした。
中でも印象的だったのは、楽しみながら学べる工夫が随所にあったこと。子どもたちが夢中になって体験できる展示は、学びのきっかけとして非常に価値があると感じました。
これからの社会では、環境に配慮した行動や考え方がますます求められます。今回の展示で得た気づきを、日常生活や地域での活動にどう活かせるかを改めて考えるきっかけになりました。子どもたちとも一緒に体験を振り返り、「ゴミってなんだろう?」「使い終わったものにできることって?」といった問いを通じて、循環の大切さを少しずつ共有していきたいです。
未来の担い手である子どもたちとともに、環境と共生する知恵や工夫を学び、行動につなげていけたらと思います。
今後の学びや実践に、今回の体験を大切に活かしていきたいです。
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