
【2025年度ご案内】
「社会的養護下の子ども応援基金」助成事業に採択されました
このたび、私たちの団体は 公益財団法人日本フィランソロピック財団 第1回「社会的養護下の子ども応援基金」の助成対象事業に選ばれました。

この基金は、社会的養護下にある子どもたちに多様な学びや体験を提供し、自立心や好奇心、創造力の育成を支援することを目的としています。
【2025年度 事業名】
北海道の観光案内をプログラミングしよう!
本事業では、児童養護施設等で暮らす子どもたちを対象に、観光とプログラミングを融合させた体験型学習プログラムを実施します。子どもたちは北海道の観光資源を自ら調べ、整理し、プログラミングを通じて案内アプリやデジタルマップとして表現していきます。
【目的】
- プログラミング的思考の習得と表現力の向上
- 地域理解・郷土愛を深める学びの体験
- 他者と協働する力や自己表現力を育む機会の提供
- 社会的養護下の子どもたちへの多様な学習支援
【主な実施内容】
- 北海道の観光地に関する事前学習(オンライン/集合型)
- 施設内でのプログラミング基礎講座(scratch等を使用)
- 観光案内マップ/アプリの制作ワークショップ
- 完成作品の発表会・共有会
- scratchでプログラミング パワーポイント等でプレゼンテーション体験 など

- プログラミング基礎講座の実施:子どもたちにプログラミングの基本を学んでもらうための講座を開催します。初心者でも理解しやすい内容で、楽しみながら学べる工夫を取り入れます。
- 北海道の観光地リサーチ:子どもたち自身が北海道の観光地や文化について調査し、アプリのコンテンツとして取り入れます。これにより、地域理解を深めるとともに、自ら情報を収集・整理する力を養います。
- 観光案内アプリの開発:学んだプログラミングスキルと収集した情報をもとに、観光案内アプリを作成します。チームでの作業を通じて、協力することの大切さや達成感を味わってもらいます。
- 発表会の開催:完成したアプリを地域の方々や関係者に披露する発表会を行います。子どもたちの努力の成果を共有し、地域とのつながりを深めます。
私たちは、この助成を受けることで、これまで以上に質の高いプログラムを提供できることを大変嬉しく思っています。子どもたちが新しい技術や知識を身につけ、未来への可能性を広げる手助けができるよう、スタッフ一同全力で取り組んでまいります。
【体験型学びのプロジェクト プレスリリース】
体験格差をなくす“観光×ICT教育”新企画始動!
飛行機で北海道へ!小学生が観光ガイドをプログラミングする
~児童養護施設の子どもたちに「初めての感動体験」を~
2024年9月29日
特定非営利活動法人 ITサポート銀のかささぎ
特定非営利活動法人 ITサポート銀のかささぎ(長野市)は、「第1回 社会的養護下の子ども応援基金」(公益財団法人日本フィランソロピック財団)の助成を受け、**体験型のICT教育事業「北海道の観光案内をプログラミングしよう!」**を2025年より実施いたします。
■背景:体験の格差が学びの格差に
虐待などの理由で保護され、児童養護施設で暮らす子どもたちは、旅行や観光などの“体験”に触れる機会が圧倒的に不足しています。
私たちはこれまでICTを活用した学習支援を行ってきましたが、学力差の根底には「体験の格差」があると感じ、このプロジェクトを企画しました。
■事業概要:観光地を子どもたちが取材&プログラミング
本事業では、児童養護施設に暮らす小学生約20名が、月2回のプログラミング学習を経て、北海道へ飛行機で出発。
小樽運河やさっぽろテレビ塔、円山動物園、水族館、北海道大学などの名所を自らの視点で取材し、Scratchや動画編集ソフトで「観光案内」を制作します。
完成した作品はYouTubeやWEBサイトで公開し、子どもたちが社会とつながるきっかけにしていきます。
■期待される成果
- ITスキルと発信力の習得(Scratch・動画編集・Web制作など)
- チームでの共同作業を通じた探究力・表現力の向上
- 将来の職業選択の幅を広げるキャリア教育の一歩
- 社会に向けて、施設の子どもたちの存在や可能性を伝える発信効果
【事業概要】
- 事業名:北海道の観光案内をプログラミングしよう!
- 実施期間:2025年2月〜2026年1月
- 対象:長野県内の児童養護施設の小学生(4〜6年生)約20名
- 訪問先(予定):小樽、札幌市内(時計台・大学・動物園・水族館・野球観戦など)
- 支援内容:Scratchプログラミング、動画編集、現地取材・制作、ホームページでの発信
■2025年7月開催 北海道旅行
























この夏、児童養護施設で暮らす子どもたちとともに、長野から飛行機に乗って北海道へ体験学習旅行に出かけました。今回の旅は、プログラミングや動画制作の学習と連動した「観光案内づくり」の一環で、子どもたちが自らの目で観て、感じたことを表現するための貴重なインプットの機会となりました。
なかでも特に印象深かったのは、北海道日本ハムファイターズの本拠地・エスコンフィールドHOKKAIDOの見学ツアーです。球場の最新鋭の設備や、通常は一般に開放されていないロッカールーム、選手の通路、記者会見室などを実際に見ることができ、子どもたちは目を輝かせていました。広々としたフィールドに立った瞬間の子どもたちの歓声は忘れられません。映像やスクリーン、観客席のつくりなど、まるで未来のスタジアムを体験するようなワクワク感があり、スポーツへの興味や「裏側を知る面白さ」に気づくきっかけにもなったようです。
小樽水族館の見学も大変好評でした。イルカやペンギン、アザラシなどの生き物との出会いに子どもたちは興奮し、「こんな近くで見たの初めて!」という声が多く聞かれました。展示だけでなく、飼育員の解説を通して、命や自然の大切さを感じることができた貴重な学びの場でした。
さらに、自由見学の時間には、小樽運河周辺を歩きながら、子どもたち自身が写真や動画を撮影。どんなふうに紹介しようかと相談し合いながら、観光地の魅力を自分の言葉で表現する力が育っている様子が見られました。夜には札幌のバイキングで夕食。夜景も見学しきらめく街の光に包まれながら、心に残るひとときとなりました。
また、食事も大きな楽しみのひとつで、普段はなかなか体験できないレストランでの食事に子どもたちは大喜び。海鮮など北海道ならではの味を楽しみ、みんな笑顔いっぱいで食べていました。旅の終盤には、「また行きたい!」「北海道の動画をもっとかっこよく編集したい!」と、次の学びへの意欲が自然と生まれていました。
この旅行を通して、子どもたちはただ観光地を「見る」だけでなく、「伝えるために観る」「感じたことを形にする」という、新しい視点を得ることができました。今後はこの体験を活かして、プログラミングや動画編集の学習を深め、北海道観光ガイドの作品をホームページやSNSで発信していく予定です。
心を動かす体験のひとつひとつが、子どもたちの未来への一歩になると信じて。これからもこのような「学びと体験がつながる活動」を継続していきたいと強く感じています。
⇒続いて9月プログラミング制作へ 随時更新していきます