児童養護ICT学習支援

学習困難を経験した児童を取り巻く学習改善

なぜこの事業に取り組むのか

家庭環境による学力格差

日本には今、6人に1人の子どもたちが貧困のために、生活や勉強する環境が脅かされています。

子どもの貧困問題のひとつとして、家庭環境により通常の学習進度に大きな格差が存在する場合が多く、その子に意欲や勉強への関心が見られない場合は学校での授業にも集中できず学習進度の差がますます広がってしまい、進学や社会に進んだ際にドロップアウトしてしまうという問題が生じています。したがって、家庭環境に依存することなく学習する習慣を身につけることが必要です。

iPad を使用できる環境にすることですすんで自学に向かわせる意欲を起こしたり、遅れを出さないようにすることが可能です。

ICT教育は、学習の効率的な定着をはかることができます。

保護所にいる子どもたちに対してiPadを用いた学習を行っています

iPadという情報携帯端末を活用することで、つまづきを発見し、それに対応し、メディアコーディネ ーターが学習補助をしています。

紙媒体のみを用いた従来の学習方法の弱点をカバーし、子どもたちの学習意欲をより引き出しやすく。

集中力の持続や学習成果の観点からもiPadを用いた学習法の方がよいということは、データによって立証されています。
しかしここで求めているのは、成績でも点数でもありません。ただ、学校に戻った時に勉強が苦痛ではないと思ってもらえるように、最低限の知識を一緒に勉強します。

学習アプリでの欠落箇所学習とその反復学習を行うとともにICT を使用することによって子どもたちへ学ぶことへの窓を開いていきたいと考えています。

ロールモデルとICTを利用した学習啓発モデル ー 楽しむを学ぶ

“できる”喜びを届けたい  
-かささぎ学習支援モデルー

ブロック化したユニットを「できる」ことを褒める

いままでの紙ドリル主体の学習とは少し違ったICTを利用した学習「経験の積み木」をロールモデルのボランティアと一緒に行います

辛い経験をした子どもたちにタブレットを用いた学習支援により学力向上、苦手意識の克服—自己肯定感を得ることができます(達成感をすぐ得られる)

経験の積み木を一つでも多く

アプリでの欠落箇所学習とその反復学習 インターネットを使用した学ぶことへの窓

「子どもたちに興味・関心をもってもらい、楽しみながら学ぶ」

子どもたちの学習の様子を確認しながら欠落している箇所を見つけるのがメディアコーディネーターとしての学生たちの役割です。

学習の積み木の「ブロック化したユニット」を見つけ、それが「できる」ことを褒めることにより、個々の子どもたちの学習の芽を育てていきます、
そしてブロック化したユニット「経験の積み木」を一つでも多く増やしていくことにより、学習の欠落箇所を補っていきます。また、多くの経験の積み木を増やした子どもたちは新しい積み木を増やしていくことに積極的になることが考えられます。

子ども達の今までの学習範囲をできるだけ把握し、足りないものを積み木の様に組み立てていく形で子どもたちの思考の拡大を目指しています。

スタンプカード(かささぎブック)

単元ごとに小分けしたスタンプカードを作成し、学力確認テストやドリルなどの点数をみて身に付いたと判断できる箇所にスタンプを押していく。さらに、スタンプの集まった数に応じてプレゼントするグッズなどを用意し、スタンプをためていく楽しさと景品を手に入れる意欲で児童の継続的な学習を支える



表彰制度

学期ごとに、学力テストや模試の結果、学校のテスト・成績が向上したり、学習に努力(勉強サプリの進度など)が見られた児童に対し表彰を行う。学習の成果や努力が可視化されることにより、児童の学習モチベーションが高まる。賞状をもらえない児童が現れないよう、多種の賞状を用意する

施設の様子 子ども達より   

学習支援活動(月2回×12回)隔週土曜日2時間 定期的な学習支援を行う

銀のかささぎさんによる学習支援を受けて

松代福祉寮では毎月2回、第2土曜日と第4土曜日の9:00~10:30に、小学生を対象にしてタブレット端末を利用した学習を実施して頂いています。

この学習支援は平成27年度に始まり、子ども達に定着してきています。児童養護施設に入所する子ども達は特に、家庭で十分な学習環境が整っていないことが多く、学習習慣の定着が不十分で基礎的な知識を積み重ねることができていなかったりする場合が多いです。

タブレット端末を利用した学習は、一問一答形式でゲーム感覚で取り組むことができたり、その場ですぐに正誤結果がわかったり、以前の学習履歴がデータで残っていて自分でそれを比較することができたりするので、子ども達にとっては親しみやすく、取り組みやすいのだと思います。

そして、学習だからと言って堅苦しい気持ちで取り組むのではなく、楽しい気持ちで取り組むことができているように感じます。

子ども達の学力向上のために今後も銀のかささぎさんの御支援の下で連携し取り組んでいきたいと思います。 職員

●普段使うことがないタブレット端末を使うことができるので嬉しい。小3 男子

●まだ学校で学習していないことでも、自分がやりたいと思ったことをタブレット端末で自由に選んで学習することができるのが良い。
小6 女子

●自分で学習する時にはできないようなこともタブレット端末を使えばできるので、わかりやすい。例えば、地図でパズルのようにして国の位置を覚える学習。 小6 女子



活動から見えてきた課題

—保護された子どもたちの家庭養育環境の不十分さ —大学などの進学に必要な基礎学力の無さ —特別支援学級の子どもの多さ —入所している子どもの多くは児童虐待が原因であるがその背景に貧困がある — —保護される前の段階に必ず貧困があり、貧困家庭の子どもたちへの学習支援活動も必要であると痛感している。

訪問先施設一覧

施設名住所支援日
東京 調布学園〒182-0033 東京都調布市富士見町3-18-1 調布学園 第二調布学園毎月2回 隔週日曜日 他
長野 松代福祉寮〒381-1221長野県長野市松代町東条字腰巻108番地2 毎月2回 隔週土曜 他
長野 恵愛学園〒387-0021 長野県千曲市稲荷山3842-1毎月2回 隔週水曜 他
長野 三帰寮〒381-0021 長野県長野市大字屋島2373毎月2回 隔週金曜 他
長野 おさひめチャイルドキャンプ〒395-0021 長野県飯田市仲ノ町305-6毎月2回 隔週日曜 他
2023年現在

活動アルバム

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